お菓子の国の王子様
そして今日の昼、大和に無理やりローテーブルの椅子に座らせられ、花村さんを含めた俺たち三人で昼食をとった。


後から聞いた話だが、忙しさのあまり食事を取らない俺を心配した彼女が、大和に相談したらしい。確かに忙しいこともあったが、俺は夢中になると食事を忘れて突き進む癖がある。そんな俺を知っている大和が、俺のために彼女におにぎりを作ってもらった。


おにぎりの中身は俺の好きな鮭と昆布。彼女は他におかずとして、豚汁とお稲荷さんも用意してくれた。
デザートにはプチシューと洋梨。


おかずは簡単につまめるように、一口サイズ。ここでも彼女のさりげない気遣いが嬉しい。


久しぶりに本格的な食事を楽しみながら、夢中で食べた。


ほんのり甘い卵焼き、シンプルな塩胡椒で味付けしたアスパラの肉巻き、ピリ辛で食欲をそそる蓮根のきんぴら、茹で加減が絶妙なブロッコリーと彩り豊かなプチトマト。やはり彼女は料理が上手で、俺好みにぴったりの味付け。
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