お菓子の国の王子様
しかし、大和が食い下がってきた。こいつがここまで粘るということは、何か確実に理由があるはずだ。
こいつの情報網、観察力、そして先見の明。何かを感じ取っているのだろう。


ここはしばらく様子を見てみようと思った矢先に、同居の提案に、さすがに俺も声を荒げてしまった。
だがこいつの言っていることは的を射ているし、彼女のアパートで隣人とのトラブルが続いていたとは。


話を聞くにつれて、ますます彼女の身の安全が心配になってきた。
アパートに戻るべきではないと感じる。いつ最悪の状況になってもおかしくない。


なぜか俺が守らなければと思ってしまい、つい口に出してしまった......


「うちにおいでよ」


渋る彼女に対して、交換条件として生活費と家賃を俺が負担して、彼女には俺の食事と健康管理を任せることを提案した。
それでも、彼女はまだ決心がつかない。


まあそうだろう、彼氏でもない男と一緒に住むのだから。この子は「西園寺」というブランドを欲しがっていて、あわよくば俺に取り入ろうとしているタイプではない。


彼女を安心させるために、涼介の立会いのもとで契約書を交わすことを追加する。
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