お菓子の国の王子様
「しかし、美愛はまだ22歳」


当然のことだ、溺愛している愛娘が突然男と同居するなんて、許せないのだろう。


ここでも両親の意見が食い違っている。
『まだ22歳』と『もう22歳』


ここで母親の衝撃的な発言。


「まあ、あなたはお忘れ? 美愛ちゃんはもう22歳。​それに、22歳の医学生だった私に、有無を言わせず同棲に持ち込んだことは?」


えっ、これを俺が聞いちゃってもいいのかよ?


ふと隣の美愛ちゃんを見ると、彼女は目を見開き驚いて固まっている。ここからは母親の独壇場で、焦って反撃を試みる父親を見事に撃退した。


「ひどいわ、私のことを軽んじていたのね? 娘は大切だけど、私はそうではなかったのね?」

「ち、違う、違う! 私がこんなにもずっと君を愛していることがわからないのか?」
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