お菓子の国の王子様
「せっかくのお休みの日を私のために使わせてしまって。何かお礼をさせてください」
「気にすることはないよ............あっ、もし可能であればなんだけど、以前雅から君が作るお菓子が美味しいと聞いたんだ。うちの妻は甘いものが好きで……」
照れくさそうに、涼介はこめかみを触り始めた。『冷酷弁護士』と呼ばれる涼介は、今年の初めに入籍した一回り年の離れた奥さん、鈴音ちゃんを溺愛している。
ここでは、美愛ちゃんが作るお菓子を持っていくことで話がまとまり、俺たちはマンションに向かう。
俺が気になってチラチラとぬいぐるみを見ていたからか、美愛ちゃんがこのぬいぐるみのことを恥ずかしがりながら教えてくれた。
数年ごとに引っ越しをしていた幼少期、ペットを欲しがっていた彼女にジョセフさんがプレゼントしたのがこのプードルだ。
なんと、骨の形をしたタグには、幼い彼女の慣れない手書きで書かれた犬の名前が。
はにかみながら見せてくれたその名前は、BonBonだった。
お互いに目を見合わせ、次の瞬間、二人で大笑い。
何だろう、美愛ちゃんとはとても縁を感じる。
「気にすることはないよ............あっ、もし可能であればなんだけど、以前雅から君が作るお菓子が美味しいと聞いたんだ。うちの妻は甘いものが好きで……」
照れくさそうに、涼介はこめかみを触り始めた。『冷酷弁護士』と呼ばれる涼介は、今年の初めに入籍した一回り年の離れた奥さん、鈴音ちゃんを溺愛している。
ここでは、美愛ちゃんが作るお菓子を持っていくことで話がまとまり、俺たちはマンションに向かう。
俺が気になってチラチラとぬいぐるみを見ていたからか、美愛ちゃんがこのぬいぐるみのことを恥ずかしがりながら教えてくれた。
数年ごとに引っ越しをしていた幼少期、ペットを欲しがっていた彼女にジョセフさんがプレゼントしたのがこのプードルだ。
なんと、骨の形をしたタグには、幼い彼女の慣れない手書きで書かれた犬の名前が。
はにかみながら見せてくれたその名前は、BonBonだった。
お互いに目を見合わせ、次の瞬間、二人で大笑い。
何だろう、美愛ちゃんとはとても縁を感じる。