お菓子の国の王子様
水曜日の今日、午前中は来客があり忙しかったが、午後になり、通常業務ができるほど落ち着いてきた。
美愛は秘書室のコピー用紙をもらうために総務部へ向かった。
ここしばらく、佐藤麻茉をできるだけ避けるようにしている。
総務部を覗くと、運良く麻茉はいなかった。いつも雑談をする総務のおばちゃんこと石田が、すばやく美愛のもとへ駆け寄ってきた。
「あっ、美愛ちゃん、ちょっとちょっと」
石田は美愛を人目のつかない角へ招いた。
「今日の午後、これが社内メールで送られてきたのよ。私の周りの席の子も来ていたみたい。美愛ちゃん、何か送られてきた?」
「先ほど社内メールをチェックしましたが、何も届いていませんでした」
眉をひそめ、小声で話す石田。
「やっぱり。なんとなく嫌な予感がしたから、一応メールをコピーしておいたの。社長に報告したほうがいいと思うよ。私たちはメールに書かれていることを信じていないけれど」
石田は半分に折った紙を美愛に手渡した。
美愛は秘書室のコピー用紙をもらうために総務部へ向かった。
ここしばらく、佐藤麻茉をできるだけ避けるようにしている。
総務部を覗くと、運良く麻茉はいなかった。いつも雑談をする総務のおばちゃんこと石田が、すばやく美愛のもとへ駆け寄ってきた。
「あっ、美愛ちゃん、ちょっとちょっと」
石田は美愛を人目のつかない角へ招いた。
「今日の午後、これが社内メールで送られてきたのよ。私の周りの席の子も来ていたみたい。美愛ちゃん、何か送られてきた?」
「先ほど社内メールをチェックしましたが、何も届いていませんでした」
眉をひそめ、小声で話す石田。
「やっぱり。なんとなく嫌な予感がしたから、一応メールをコピーしておいたの。社長に報告したほうがいいと思うよ。私たちはメールに書かれていることを信じていないけれど」
石田は半分に折った紙を美愛に手渡した。