お菓子の国の王子様

美愛サイド

美愛サイド





総務の石田さんから渡された紙を見た瞬間、思わず息を飲んだ。


何これ、どういうこと?
私はこんなことはしないし、してないよ。
Cool Beautyの服は、圭衣ちゃんが作ってくれたものなんだから。
どうしてそんな嘘をつくの?ひどいよ。
それに、これらの写真、もしかしてずっと誰かに監視されていたの?
怖いよ、怖いよ。





その後、社長に報告したが、そうしなければよかったと後悔している。あれは質問ではなく、詰問だった。


被害者である私が悪いと感じさせられ、あの場所から1秒でも早く離れたかった。


社長室のドアを閉めた瞬間、私の中で何かが崩れ落ちるのを感じ、今まで我慢していた涙がにじみ、足早にトイレへ向かう。
途中、副社長とすれ違い、声をかけられたが、私の耳には届かなかった。
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