お菓子の国の王子様
Bon Bonの入口まで送ってくれた美奈子さんは、もう一度、私も抱きしめた。
「また明日ね、美愛ちゃん」
さっきトイレの鏡で見た自分の顔は、泣いたせいで目が腫れて真っ赤だった。
このままでは外に出られないと思い、エレベーターホールを横切って、誰もいない空中庭園へ向かう。
それほど広くないこの庭園には、黄色や赤く色づいた葉を持つけた木々があり、その周りには円形のベンチが配置されている。
今の時期、5時には日が暮れ始めるが、ガーデンライトのおかげで、心地よい明るさが保たれていた。
ベンチに座り、暗くなる東京の空をどれくらい見つめていたのだろう?
おそらく、目の腫れと赤みはもう引いているだろう。
心のしこりは消えず、家にも戻りたくない私は、ここサクラスクエアのデパ地下で大好きなスイーツ巡りをして時間をつぶしたが、いつものように楽しくない。
私の足はいつの間にか、裏通りの商店街へと向かっていた。
「また明日ね、美愛ちゃん」
さっきトイレの鏡で見た自分の顔は、泣いたせいで目が腫れて真っ赤だった。
このままでは外に出られないと思い、エレベーターホールを横切って、誰もいない空中庭園へ向かう。
それほど広くないこの庭園には、黄色や赤く色づいた葉を持つけた木々があり、その周りには円形のベンチが配置されている。
今の時期、5時には日が暮れ始めるが、ガーデンライトのおかげで、心地よい明るさが保たれていた。
ベンチに座り、暗くなる東京の空をどれくらい見つめていたのだろう?
おそらく、目の腫れと赤みはもう引いているだろう。
心のしこりは消えず、家にも戻りたくない私は、ここサクラスクエアのデパ地下で大好きなスイーツ巡りをして時間をつぶしたが、いつものように楽しくない。
私の足はいつの間にか、裏通りの商店街へと向かっていた。