お菓子の国の王子様
「もう遅いから、気をつけて帰ってね」


優しい笑顔の二人に送り出された。





商店街を通り抜け、そのまま裏通りを進むと、マンションの近くにある小さな公園が見える。


滑り台とブランコしかないこの公園のベンチに座り、左手で大切なネックレスに触れる。


雅さんとどのように接すればいいんだろう?引っ越そうかな?
私、雅さんに嫌われてしまったのかな?
このまま離れるのは嫌だけど、また無機質な声で話しかけられるのはもっと嫌だ。


社長に嫌われるのが嫌なのか、社長と離れるのが嫌なのか?


それとも、雅さん......?


私、雅さんのこと......


どうしよう、お兄ちゃん。どうすればいいの?
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