お菓子の国の王子様
脱衣所でパジャマに着替え、タオルドライしただけの髪。ドライヤーを使う気にもなれず、すぐにでも自分の部屋に戻りたい。
キッチンの前を通りかかったとき、雅さんに呼び止められる。
「美愛ちゃん、ソファーに座って」
彼は浴室に向かい、ドライヤーを持ってきた。
「風邪をひかないように、しっかり乾かさないと」
「大丈夫です」
立ち上がって部屋へ行こうとしたが、両肩を軽く押さえられて座らされた。
「いいから、俺の言うことを聞いて」
無言のまま座っている私に、雅さんが髪を乾かしてくれる。
早く部屋に戻りたい気持ちとは裏腹に、誰かに髪を乾かしてもらうのはとても心地よく、ずっとこのままでいたい気分になる。
小さい頃、よく父さまと圭衣ちゃんに、こんな風に乾かしてもらったなぁ。気持ちよくて、そのまま寝てしまったんだよね。懐かしいな。
キッチンの前を通りかかったとき、雅さんに呼び止められる。
「美愛ちゃん、ソファーに座って」
彼は浴室に向かい、ドライヤーを持ってきた。
「風邪をひかないように、しっかり乾かさないと」
「大丈夫です」
立ち上がって部屋へ行こうとしたが、両肩を軽く押さえられて座らされた。
「いいから、俺の言うことを聞いて」
無言のまま座っている私に、雅さんが髪を乾かしてくれる。
早く部屋に戻りたい気持ちとは裏腹に、誰かに髪を乾かしてもらうのはとても心地よく、ずっとこのままでいたい気分になる。
小さい頃、よく父さまと圭衣ちゃんに、こんな風に乾かしてもらったなぁ。気持ちよくて、そのまま寝てしまったんだよね。懐かしいな。