お菓子の国の王子様
兄の京(きょう)は35歳で、双子の姉の葵(あおい)は、俺と同じく32歳の内科医。


俺たち3人は幼稚舎から、多くのリベラル派が通う慶智(けいち)学院に、親友たちと共に通った。


同じ旧華族でリベラル派の九条仁(くじょう じん)、伊集院涼介(いじゅういん りょうすけ)、近衛彰人(このえ あきと)、烏丸大和(からすまる やまと)、そして兄の西蓮寺京(さいおんじ きょう)と大和の兄の烏丸悠士(からすまる ゆうし)、俺を含めて「元祖慶智の王子たち」と今でも呼ばれている。


学生時代、よく女の子たちから声をかけられた。
ただ俺たちはほとんどの女の子たちが俺たち自身ではなく、俺たちの背後にあるブランド(家柄や会社など)を求めていることを知っている。


そんな時、中学2年生で初めて彼女ができた。彼女は他校の生徒で、通学中に出会った。


初めてのデートでは、お小遣いを貯めて流行っていたパンケーキ屋に彼女を連れて行った。彼女は嬉しそうにしていたが、後日、彼女が友人と話しているのを聞いてしまった。
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