お菓子の国の王子様
そして、あの赤いベルと牛のチャームが付いたネックレス。
それは俺が彼女にあげたキーホルダーのチャームだ。美愛ちゃんは、不安な時や悲しい時によくあのネックレスを服の上から触れている。


やはり美愛ちゃんはあのお姫様だろう。





寝支度を終え、美愛ちゃんの反対側から
ベッドに入る。


しばらく彼女の寝顔を見つめ、そっと触れるように彼女の柔らかい唇に口づけをする。彼女を起こさないように、そっと抱きしめた。彼女が俺の胸に顔を埋め、パジャマを握っている姿が愛おしくてたまらない。


「おやすみ、俺のお姫様。愛してるよ。これからは君をたっぷり甘やかすから」


あの日から思っていた小さなお姫様が美しい大人の女性と成長して、いま俺の腕の中で眠っている。やっと見つけた俺のお姫様。もう君のことを離さないし、俺から離れないようにするから。二人で叶えていこう、あの日二人で約束したことを。


さて、明日の朝、君はどのような反応をするのか?






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