お菓子の国の王子様
二人揃ってエレベーターに乗り込み、地下駐車場へ向かい車に乗り込む。
先ほどの雅の言葉が気にかかり、緊張した面持ちの美愛に対し、穏やかな表情の雅。


マンションからミッドタウン、サクラスクエアの会社までは、車で5分もかからない。


サクラスクエアオフィス側に駐車した車の中で、雅はおもむろに美愛の右手を取り、その甲にキスをして、優しく言い聞かせた。


「今日は俺と一緒に車で帰ろう。いいね?」


驚いてうなずいた美愛に優しく微笑みかけ、彼は北側のエレベーターで伊集院総合法律事務所へ、彼女は南側のエレベーターでBon Bonへとそれぞれ向かった。
< 173 / 196 >

この作品をシェア

pagetop