お菓子の国の王子様
「ん~、美愛ちゃん、おはよう」



「お、おはようございます、雅さん。あの......」



あっ、雅さんが起きてしまった。
ちょっと残念。




「よく眠れた? 俺は久しぶりにしっかり眠れたよ」



えっ、どうして?
さっきよりも強く抱きしめられているんだけれど。それに、そんな耳元で言われたら、私、絶対今顔が赤いよ。
と、とにかく、もう起きた方がいいよね?
どうしたら雅さんの腕から抜け出せるの?


「み、雅さんのベッドを占拠してしまって、ごめんなさい。もう支度しないと。」

「あ~、もう時間か? 仕方がないな」



自室に戻って落ち着きを取り戻し、急いで身支度を整えた。
まだ雅さんの腕や胸板の感触が残ってる。
この感覚、忘れたくない。
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