お菓子の国の王子様
そうつぶやきながら、彼女は再び俺の胸に頬を寄せてきた。


さっきのつぶやきは、彼女も俺に気があると受け取っていいのだろうか?あんなに可愛いお願いをされたら、抱きしめているこの手を緩めることができない。


いつまでもこのまま彼女を抱きしめていたいと思うが、そろそろ起きなければならない。今日は涼介の事務所に行く必要がある。俺の計画を実行し、今日ですべての決着をつけるつもりだ。




俺は今、起きたふりをする。



「ん~、美愛ちゃん、おはよう」

「お、おはようございます、雅さん......あの....」

「よく眠れた? 俺は久しぶりにしっかりと眠れたよ」



腕の力を強め、少し意地悪をして耳元でささやくと、彼女の身体がピクッと反応するのを感じる。


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