お菓子の国の王子様
その時、ノックがあり、男性が書類を手に持って入ってきた。


「副社長、申し訳ございません。大至急こちらの書類にご署名をお願いできますでしょうか」


大和は書類に目を通し、署名をする。


「中断させてしまい、申し訳ない。続きをお願いします」

「はい。秘書としての職務に就いたことはありませんが、高校生の時から、父の会社でインターンとして、夏休みや冬休みに働いていました」


 再び大和はノートパソコンでメモを取っている。


「例えば、どのような?」

「スケジュール管理、来客応対、会議やイベントの準備、書類や資料の作成などを行っておりました」

「それはもう完全に秘書の仕事だね。ご家族は、ご両親とお姉さんが2人.....ご家族のこと、仕事について簡単に教えてくれる?」


 美愛は少しうつむき加減で話し始めた。
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