お菓子の国の王子様
「終業後に集まってもらって悪いね。実は、緊急に兄貴たちと集まり、ミーティングを行った際の話をみんなにも知ってもらい、うちでも早急に対策を講じたいと考えている。うちと取引のある三光銀行ミッドタウン支店だが、顧客離れが進んでいるらしい。銀行自体の問題ではないが、うちの総務の問題児である佐藤麻茉(さとう あさま)がいろいろと外でトラブルを起こしているらしい。彼女の父親がミッドタウン支店長であるため、彼にも娘の悪影響が出始めているようだ。彼女は社内でも問題を引き起こしていて、みんなには証拠を残すよう指示を出していたが、その後の進展はどうなった?」
最初に発言したのは、総務部長の杉山。
「佐藤は未だに自分の仕事を他の社員に押し付けています。就業中はほとんどケータイやネットサーフィンをしていることが多いです。率先して仕事をするのは、彼女の好みの男性が関わっている時だけのようです。以前のように特定の人物をターゲットに絞って嫌がらせをしている様子は見受けられません。ただ、音声の録音や動画などの証拠がないため、状況を証明するのが難しいです」
顧問弁護士の涼介が口を挟んだ。
「今ある証拠だけでは、解雇は難しいだろう」
しばらく考え込んだ雅は、涼介に尋ねた。
最初に発言したのは、総務部長の杉山。
「佐藤は未だに自分の仕事を他の社員に押し付けています。就業中はほとんどケータイやネットサーフィンをしていることが多いです。率先して仕事をするのは、彼女の好みの男性が関わっている時だけのようです。以前のように特定の人物をターゲットに絞って嫌がらせをしている様子は見受けられません。ただ、音声の録音や動画などの証拠がないため、状況を証明するのが難しいです」
顧問弁護士の涼介が口を挟んだ。
「今ある証拠だけでは、解雇は難しいだろう」
しばらく考え込んだ雅は、涼介に尋ねた。