お菓子の国の王子様
「大丈夫。今回、うちのイケメン部長5人組にも、手伝ってもらったおかげで、面接中に次々と入ってきてもらったけれど、まるで眼中にないような感じだった。百合先生が彼女を幼い頃から知っていて、太鼓判を押してくれたし、彼女は4カ国語を話せるよ。仕事としての秘書経験はないけれど、父親の会社で高校生の頃からインターンとして秘書業務をこなしていたし、身元もはっきりしている子だよ。真面目だけど、どこか天然なところもある感じ。うちの悪魔とは正反対だね」
「俺は受付から烏丸先輩の部屋まで案内したんですけれど、佐藤とは大違いでしたよ。『きれい』とか『可愛い』という言葉ではなく、本当に『美しい』という表現がふさわしい子でしたね。なんというか.....昔話に出てくるお姫様のような。悪魔の佐藤が何かをやらかすかもしれませんよ、彼女に対して。悪魔は社長秘書のポジションを狙っていましたからね」
心配する杉山は、眉間にしわを寄せた。
余談だが、この時点でブレーン8のメンバーの中で、美愛のニックネームが『姫』となったことは言うまでもない。