お菓子の国の王子様
(もし社長に彼女さんがいたら......私が一緒に行くべきではないよね?助手席に座るのもまずいよね?)


「どうぞ、花村さん」

「あ、あの......本当に私がご一緒してもよろしいのでしょうか?」

「どうしてダメなの?」


意味がわからず、雅は聞き返した。


「社長の彼女さんに申し訳ありません......」

「あはは〜、そんなことを気にしていたの? 彼女も恋人も許婚も婚約者も妻もいないから、気にしなくていいよ」

「あ、はい。では、遠慮なく」


安心して車に乗り込み、二人はケーキ食べ放題があるホテル9(クー)へ向かった。

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