お菓子の国の王子様
ただ、これは出過ぎたことになるのだろうか?秘書の役割はどこまでなのだろうか?
これも『色目を使う』ということになるのか?


とりあえず、私は終業後に大和副社長と会う約束をした。場所はオフィスから少し離れた裏の商店街にある喫茶 BONで。





大和副社長から「少し遅れる」とのLIMEメッセージがあったため、私は一足早く到着し、ニューヨークレモンチーズケーキとポットで提供されるルイボスティーを注文した。


実は、ここのニューヨークレモンチーズケーキは、私がママさんにレシピを教えたの。
以前から通っている喫茶BONのママさんと、いつの間にかスイーツを通じて仲良くなり、一人で訪れると、よく私の話し相手になってくれる。


あまりお菓子作りが得意でないママから『あともう一品スイーツをお店に出したい』と聞いたので、レモンチーズケーキを提案し、一緒に作って教えたのだ。唯一、ママが作れるのは、混ぜるだけのバナナブラウニーで、成人した3人のお子さんたちも好きらしく、特に甘いものが好きな末っ子さんは、今でもよくリクエストしてくれると、嬉しそうに話してくれた。
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