お菓子の国の王子様
「仕事のこと? それともプライベート?」

「......実は社長のことでお話があるのですが」

「えっ? あいつ、美愛ちゃんに何かしたの?」


慌てて否定し、私は説明を始める。


「違います。ただ、ここ数日、社長のお顔の色が優れず、お食事も摂られていないようで。このままだと倒れてしまいそうで心配です。」


副社長は深いため息をつき、腕を組んだ。


「また食べていないのか……あいつは、夢中になりすぎるとご飯を忘れて突き進んじゃうんだよ」

「今日、私のサンドイッチをおすそ分けしたのですが、召し上がっていただけました。でも、出過ぎたことをしてしまったのでしょうか?」


不安そうに副社長を見つめる。


「いやいやいや、逆にありがたいよ。僕がご飯に誘っても、行かないんだよ。美愛ちゃんは確かお弁当を持ってきているよね?」
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