お菓子の国の王子様
疲れている時は甘いものが食べたくなるため、デザートにはプチシューと洋梨も持ってきた。


どうしよう、勝手なことをして怒られるかな?


目の前のお弁当を前に、社長は目を見開く。


「これ、俺が食べてもいいの?」

「は、はいどうぞ。お口に合えばいいのですが」

「いただきます」


社長は言うや否や、無言で食べ進めた。


私も自分のお弁当を開けた。おにぎり以外は同じ。
お稲荷さんとおかずをたくさん作ったので、テーブルの真ん中に置いた。


「美愛ちゃん、お稲荷さんを食べてもいいの?」


副社長は、お稲荷さんから目を離さずに聞く。


「はい、よろしければ社長と副社長もどうぞ」
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