お菓子の国の王子様
雅(みやび)サイド
雅(みやび)サイド
あ、誰かが泣いている......
たまたま一人で下校中、小さな公園を通り抜けているときベンチの前で泣いている小さな女の子。年齢は5、6歳くらいだろうか?面倒なことに巻き込まれたくなく、知らぬふりをしようとしたとき、その子と目が合い、ハッとした。
光の加減によって変わるその瞳の色、透き通るような肌の白さ、背中まで届く緩やかなウェーブの柔らかそうな髪が、夕日に照らされてキラキラと輝いている。もしこの世に天使や妖精が存在するのなら、きっと彼女のことを指しているのだろう。『かわいい』や『キレイ』という言葉ではなく、まさに『美しい』という表現がふさわしい。彼女が泣いている姿を見ると、『守ってあげたい』という庇護欲が掻き立てられる。
「どうしたの? ケガでもしているの?」
「.......っ、と、父さまと母さまと姉さまが
いないの......I want my daddy. I wanna go
home」
俺の問いに対して、弱々しく震える声で答えた。
あ、誰かが泣いている......
たまたま一人で下校中、小さな公園を通り抜けているときベンチの前で泣いている小さな女の子。年齢は5、6歳くらいだろうか?面倒なことに巻き込まれたくなく、知らぬふりをしようとしたとき、その子と目が合い、ハッとした。
光の加減によって変わるその瞳の色、透き通るような肌の白さ、背中まで届く緩やかなウェーブの柔らかそうな髪が、夕日に照らされてキラキラと輝いている。もしこの世に天使や妖精が存在するのなら、きっと彼女のことを指しているのだろう。『かわいい』や『キレイ』という言葉ではなく、まさに『美しい』という表現がふさわしい。彼女が泣いている姿を見ると、『守ってあげたい』という庇護欲が掻き立てられる。
「どうしたの? ケガでもしているの?」
「.......っ、と、父さまと母さまと姉さまが
いないの......I want my daddy. I wanna go
home」
俺の問いに対して、弱々しく震える声で答えた。