お菓子の国の王子様
でもでも、男の人と暮らすって.......ハードルが高すぎる。まだ躊躇している私に、社長は続ける。


「君が嫌がることは絶対にしない。必要であれば、涼介の立会いのもとで契約書を作成しよう」


ここまで言われたら、やっぱり受けちゃうよね?


部屋にも実家にも戻りたくないし、社長の健康管理もできる。
家賃と食費を浮かせた分を貯金すれば、新しいアパートに引っ越すこともできる...... よし!


「しゃ、社長、よろしくお願いいたします。」





終業後、弁護士の涼介先生も交えて契約書にサインをする。
契約内容は、家賃や生活費に関することだ。


私が嫌がることをしないことや、同居の件を他の社員に話さないことなど、基本的なことについては合意した。
それ以外の詳細については、後で二人で話し合って決めることにした。
< 90 / 169 >

この作品をシェア

pagetop