お菓子の国の王子様
契約書のコピーを受け取ったとき、重大なことに気づいた。
「ど、ど、どうしよう......」
頭を抱えてうつむきながら呟いた私の異変に気づいた副社長が、顔を覗き込んできた。
「美愛ちゃん、どうしたの? 少し顔色が悪いね」
「あぁぁ、どうしよう? 引越しのことで頭がいっぱいで、全然考えられなかった。どうやって両親に説明しよう? いきなり『社長と同居するから』なんて言えないよ。このまま黙ってる? むり、ムリ、無理だよ! だって、新しい住所も知らせないといけないし。特に圭衣ちゃんはよく荷物を送ってくるから、黙っているわけにはいかない。というか、両親よりも圭衣ちゃんの方が怖い。絶対に怒るよ。ようちゃんを味方につける? どうしよう、なんて言えばいいの?」
プチパニックになっている私は、この心の声が再び漏れていたことに気づいていない。
「大丈夫だよ、花村さん。ご両親に挨拶に伺いたいから。できればこれから。そうすれば、明日の土曜日には引越しが終わる。連絡してくれるかな? 大切な娘さんをお預かりするんだから、ご両親にも納得して安心してもらわないとね。それと、涼介、契約書のコピーを彼女のご両親にも渡したい」
「ど、ど、どうしよう......」
頭を抱えてうつむきながら呟いた私の異変に気づいた副社長が、顔を覗き込んできた。
「美愛ちゃん、どうしたの? 少し顔色が悪いね」
「あぁぁ、どうしよう? 引越しのことで頭がいっぱいで、全然考えられなかった。どうやって両親に説明しよう? いきなり『社長と同居するから』なんて言えないよ。このまま黙ってる? むり、ムリ、無理だよ! だって、新しい住所も知らせないといけないし。特に圭衣ちゃんはよく荷物を送ってくるから、黙っているわけにはいかない。というか、両親よりも圭衣ちゃんの方が怖い。絶対に怒るよ。ようちゃんを味方につける? どうしよう、なんて言えばいいの?」
プチパニックになっている私は、この心の声が再び漏れていたことに気づいていない。
「大丈夫だよ、花村さん。ご両親に挨拶に伺いたいから。できればこれから。そうすれば、明日の土曜日には引越しが終わる。連絡してくれるかな? 大切な娘さんをお預かりするんだから、ご両親にも納得して安心してもらわないとね。それと、涼介、契約書のコピーを彼女のご両親にも渡したい」