お菓子の国の王子様
「今、我が社は私の長年の夢であったプロジェクトが、進んでおります。お恥ずかしい話ですが、私は夢中になると食事を忘れて突き進んでしまいまして......美愛さんが昼食を提供してくれたおかげで、少し体調が良くなりました。これまで勤めていた家政婦が高齢のため、ちょうど新しい人を探していたところです。私のメリットは、美愛さんが作る食事と健康管理です」


「しかし、美愛はまだ22歳であり、男性と一緒に住むのは早す......」


父さまを遮ったのは、もちろんウキウキしている母さま。


「まあ、あなたはお忘れ? 美愛ちゃんはもう22歳。それに、22歳の医学生だった私に、有無を言わせず同棲を始めさせたこと?」


初めて聞く両親の過去に驚いた私に、母さまはにんまりと細く微笑んだ。


あっ、何か企んでいる顔をしている!


「い、今その話を持ち出すのは......」


焦る父さまに、さらに追い打ちをかける母さま。
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