リアル・デスゲーム
起
ヒミツのグループ
午後11時。
親が寝たのを確認し、家族共有のノートパソコンをこっそりと自室へ持ってきた。
物音を立てないように電源を入れると、大きな起動音にビクッと肩を震わせた。
「やば、イヤホン挿してなかった。……もう。またパパでしょ……」
慌てて音を切り、ため息混じりに呟いた。
両親は年の差婚でパパは還暦前。
耳が遠くなっており、テレビやパソコンのボリュームは大きく、スマホの文字も大きくしている。
最後にパソコンを使ったのがパパだったことをすっかりと忘れていた。
動きを止めて、扉の方を見た。
さっきの音で、家族の誰かが起きてくるかもしれないと心臓がバクバクだった。
しばらくしても物音ひとつ聞こえず、ホッと安心してまずはイヤホンを挿した。
イヤホンを通して音が聞こえるのを確認してゲームを起動した。
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