この愛は永遠に〜危険な甘い囁き〜
銀は、物凄く深いため息をついた。

「なぁ。なんでそれ?」

銀はジトっとした目で私を見る。

「だから。なんで、思い出したのがそのシーンなわけ? あれ、俺かなり嫌だったんだけど」

新も。

「いやいや、お前ワンワン言ってただけだろ。俺の方が嫌だったわ。忘れろ、小春」

「無理無理! めっちゃ思い出しちゃったもん。うっそ。凄いね。大人になったね二人とも」

「「は?」」

また声を揃えてあんぐりしている。

「いやぁー、あの時はどうもありがとうございましただわ。はははは」

「小春。マジでやめて」

新はまだ言ってる。
銀にいたってはもう知らないフリを決め込む事にしたらしく、鍋をつつき始めた。

なにこれ。
おもろ。

へぇ。あの二人がこの二人…。

そしてトクトクと鼓動がまた早くなった。

だって私は、あの頃も…

銀が好きだった。

思い出してしまった。
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