この愛は永遠に〜危険な甘い囁き〜
「親父。小春さんがいらっしゃいました」

とある扉の前で佐伯さんが廊下から声をかける。

「入れ」

低く太い声だ。

「失礼しやす」

そう言って佐伯さんはスーッと襖を開けた。

そこには髪の色はロマンスグレーに変わっていて目元などにはシワが刻まれているが、おじいちゃんだ。

「おじいちゃん!」

「小春」

おじいちゃんは私を見ると、目元にシワを寄せて優しく微笑んだ。

私は思わず飛びついてしまった。

おじいちゃんは、しっかりと私を抱き止めてポンポンと背中を優しく叩く。

「小春よく来たな。元気にしてたか?」

「うんっ。おじいちゃんごめんね。私、最近まですっかり忘れてしまってて…」

「いいんだ」

泣きそう。
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