この愛は永遠に〜危険な甘い囁き〜
そして銀の横を通るとお酒の匂いがした。
今日は香水の匂いはしない。

「はい。どーぞ」

銀は黙ったまま動かない。

「銀?」

私は玄関の中から銀を呼ぶ。
なんか様子がいつもと違う?

銀は少し酔っているのか、瞳を揺らして私を見つめたままだ。

「入んなよ」

銀の手を引こうとして手を伸ばすと、ずいぶん冷えていた。
一体いつから外で待ってたの?

そして一歩玄関に入ってドアが閉まると同時にそのまま逆に手を握られ引き寄せられるとキツく抱きしめられた。

「えっ!?」

突然の事に驚いてしまう。

「ちょっとだけ…」

そう言って更に私に回した腕に力が入った。

「ど、どうしたの?」

銀は抱きしめたまま答えない。
銀からはやっぱりお酒の匂いがする。

すると少し力が緩み顔をあげた銀は何を思ったんだかドアに私を押し付けるとキスをしてきた。

みるみるうち深くなる口付けに、惚れてしまってる私はただひたすら受け入れてしまう。

銀の身体は冷え切っているのに、私の口内で暴れる舌は熱く蕩けてしまいそうになる。





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