この愛は永遠に〜危険な甘い囁き〜


『はい、佐伯です』

「佐伯さん。小春です。先程はありがとうございました」

『いえいえ。どうかされましたか?』

「あの…銀が…」

『…アイツが何か?』

佐伯さんは、少しの間のあと声のトーンを下げた。
思わずビクッとしてしまう。
しっかりしろと自分に言い聞かせ話をする。

「部屋についたら銀がいたんです。でも様子がいつもと違ってて…」

『大丈夫ですか? 何かされませんでしたか?
銀はまだ一緒に?』

少し慌てたように話し出す佐伯さん。

「いや…大丈夫です。すぐに帰ってしまったんですけど…。どうしても気になって。佐伯さんは何かご存知ですか?」

『そうですか…。すぐに帰ったんですね…。アイツが…』

え?
どういう事だろう。

「はい。でもなんか辛そうな顔してました。知ってるなら教えてくれませんか? 銀、電話にも出なくて…」
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