この愛は永遠に〜危険な甘い囁き〜
『そうですか…。小春さん、今日はあいつの親父の命日なんですよ』

「そ、そうだったんですか…」

確かに黒いスーツを着ていたかもしれない。

『ええ。アイツは…自分のせいで親父が亡くなったと思ってるんです』

「え…。ち、違うんですよね?」

『はい。違います。むしろ、銀は組を守ったんですよ』

「ど、どういう事…ですか?」

『あれは、銀がまだ9歳の時です。あの頃、敵対する組と揉めていて…』

佐伯さんはゆっくり話し出したが、一度言葉を飲み込んだのが電話越しにも伝わってきた。

『少しだけ、怖い思いをさせてしまったらすみません。それでも聞きたいですか?』

「…はい」

銀の事ならちゃんと聞きたい。

佐伯さんは電話で話す内容でもないので…と言ってすぐに迎えに来てくれた。

そして車の中で話す事になった。
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