この愛は永遠に〜危険な甘い囁き〜


「あの時、幹部達で会合をしていたんです。銀たちは、宿舎にいるはずだった。でも、抜け出して俺たちの話を聞いていたんです」

「え? それって…」

「敵対する奴らが、組長をおびき寄せるために、唯一の孫である小春さんを拉致する計画。子供は狙われやすいですからね。ましてやまだ4歳だ。一瞬で攫える」

ゾクっと背筋が凍った。

「逆も然り。まさか子供が襲ってくるなんて思わないですよね?」

「そりゃ、そうですよ」

「銀は違った。あいつは俺たちの話を聞いて、小春さんに害が及ぶ前にと思ったんでしょう。一人で敵対する奴らがうろついてるにも関わらず、ナイフ片手に組を抜け出したんです」

嘘…でしょ…

「まだその時向こうも、孫の歳や性別まではちゃんと把握してなかった」

「え?」

「あいつは自分が孫だと言って奴らに近づいたんだ」
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