この愛は永遠に〜危険な甘い囁き〜
グッと眉間にシワが寄るのが見えた。

「だから銀は自分のせいだと?」

「ああ。
敵はまさか子供がと思って、加勢にも来なくて。
だから結果的に、俺たちは駆けつけた組員達で敵をすぐに抑制できた。
最小限の犠牲で済んだんだ。
あれは奇跡に近い」

「そ、そうなんです…ね…」

「ああ。組長も小春さんも、無事だった。それが全てだ」

「それが全て…」

どんな犠牲者がでても…
そういう世界…

「はい。俺たちはそのためにいる」

そう言って佐伯さんは私を鋭い眼差しで見た。

何も知らなかった。
何も。

「銀は今でも自分のせいだと…」

「普段は切り替えているはずです。でもやっぱりどうしても命日になると思い出すんでしょうね。ただでさえ暴れん坊なのに」

佐伯さんはクスッと笑った。

「襲われたんじゃないですか?」

え!?
私は思わず目を開けてしまった。

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