この愛は永遠に〜危険な甘い囁き〜
知らない間に私は銀を傷つけるような事してなかっただろうか。

そしてハッとする。

あんなに銀は命をかけて私を守ってくれていたのに、私は…

ついこないだまで、銀たちの存在すら忘れてしまっていた。

なんて事…

え?
なのに今、あんな感じでまた普通にしてくれてるの?

忘れてた事を責められた事はない。

むしろ、忘れているならそのままでいいとまで言われていた。

なのにずっと忘れていた間も守り続けてくれていたんだよね?

思い出さなかったら、この先だってずっと陰で守るつもりだったんだよね?

なにそれ…

もう私の枕は涙でグチャグチャになっている。
どうして私なんかの為にそこまで…

銀…

どうして会いにきたの?
私の事、どう思ってるの…?

私はもう、愛しさが溢れておかしくなりそうだよ。
私は銀に生かされてる。

私には何もさせてくれないの?

「銀…。会いたいよ」

明かりも付けない寝室に私の小さな声は消えていった。


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