この愛は永遠に〜危険な甘い囁き〜
だ、だよね。
私にだってついてるんだから、いないわけがないか。

「悪いな」

「え?」

「後ろ。気になるか?」

「いや全然」

「そうか」

銀はクスっと笑った。

「銀…こないだ…」

「悪かった。忘れてくれ」

何で?
無理だよそんなの。
忘れられるわけがない。

「無理」

「小春…」

銀は少し困ったみたいなそんな感じで私の名前を呼んだ。

「なんでそんな事言うの」

私もついムキになってしまう。
あのキスに特別な意味はなかったの?

「あの時俺…」

「まともじゃなかったって? それで納得するとでも? ちゃんと話してよ」

銀の口からもきちんと話して欲しかった。

「…だよな。小春、やっぱり俺んちで話そう」

銀は諦めたように軽く息をつく。

「…うん」

銀は私が頷いたのを見ると、今度は自分の家に向かって進路を変えた。

初めて入る銀の部屋。
緊張してしまう。

「どうぞ」

銀はそう言ってドアを開けた。





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