この愛は永遠に〜危険な甘い囁き〜


「だから誰も銀のせいだなんて思ってない。むしろ感謝してるんだよ。奇跡だって言ってた。最小限の犠牲で済んだって」

銀は眉間にシワを寄せた。
タバコの火を消し、またため息をつくと髪をかきあげた。

「銀にとっては自分と新のお父さんが…。それは本当に残念だったと思う。責任を感じるのもわかる。私が言えたことじゃないけど…。それでも救われた命が沢山あることも事実だよ」

「小春…」

「たった9歳で、命を張って守ってくれた。それにその後だって、今までずっと。私が忘れてしまってもずっと…。ごめんね本当に」

忘れてしまっていた自分が信じられない。

「小春は悪くない。自分を責めるんじゃない」

銀は瞳を揺らしながら私を心配そうに見つめ、頭を撫でた。
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