この愛は永遠に〜危険な甘い囁き〜
飲み物も運ばれてきて乾杯する。

「日向はさ、好きな人とかいないの?」

「あたし? いるわよ?」

「え!? 私知ってる人?」

日向は首を横に振った。

「もう、日本にはいないのよ」

「え!?」

外人?

「一般人でね、まぁ桐生組の飲み屋で働いてたお店のボーイだったんだけど、飲食店を出したくて海外で修行するって言って行っちゃったの」

「そうだったの…」

そう話す日向の顔はいつもよりやっぱり元気がなかった。

「うん。しかも、旅立つ前日くだらない事で喧嘩別れしちゃって」

そんな…

「仲直りしたかったのに、変な意地を張って。連絡したけど、もう連絡先も変わってしまっていた。今でもそれだけが悔やまれるわ」
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