この愛は永遠に〜危険な甘い囁き〜
そこにちょうどお客様がやってきた。
今手が空いてるのは私だけだ。
笑顔を作り入り口で出迎える。

「こんばんは」

え…
この人、あのお弁当買いにくる王族の彼だ。
やっぱりこういうところの方が弁当屋より似合ってる。

「ご案内いたします」

とりあえずカウンターへと案内して私も隣に座った。

どうやら彼は私に気づいていないようだ。
その方が私も接客しやすいので、私も知らないフリを決め込む事にした。

「お飲み物はいかがいたしますか?」

「それじゃ、ウィスキーを頂こうかな」

今日もビシッと高級そうなスーツを着こなしている。
ここのホテルに泊まってるって事は、やっぱり地元民ではないのかな?
ドリンクを作りながらそんな事を思う。

「お待たせ致しました」

ウイスキーとつまみのチーズとナッツを出した。

「ありがとう」

彼はそう言って一口グラスに口をつけた。
ゴクっと上下に動いた喉仏が男らしく見えた。
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