この愛は永遠に〜危険な甘い囁き〜


そして後ろに目でも付いているかのように、後ろから向かってきた男に華麗な回し蹴りをくらわした。

強い。
日向よりもずっと。
パワーも何もかもが、他の誰よりも上回っているのがわかった。

私はついに組員に倉庫から出されて、少し歩くと離れた所に停車しているフルスモークの車に乗せられる。

車には新が待機していた。

「小春! 大丈夫か!」

「あ、うん大丈夫…」

銀のあんな顔初めて見た。
思い出すだけで背筋が凍りそう。

「銀は!?」

「え? 戦って…」

「あんのバカ! 迎えに行くだけにしろって言ったのに!」

「そ、そうなの?」

「ああ。かなり頭に血が登ってる。今のアイツは何をするかわからねぇ」

止めなきゃ!

私は居ても立っても居られず車から飛び出した。

「お、おい! 小春! 戻れ!」

新も後ろから追いかけてくる。
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