この愛は永遠に〜危険な甘い囁き〜
銀は強かったけど、相手は武器を持っていた。
いくらなんでも…

そして倉庫に戻ると既に勝敗はついていた。
男達はボコボコになった状態で吊し上げられていた。
い、いつの間に…

「おい、てめぇ誰の女に手ぇ出してんだ? 増田(ますだ)組の頭は随分と頭が悪いみてぇだな」

銀はそう言って、その男の頭を乱暴に掴み顔を上げさせる。

「ングっ!」

「見るな」

追いついた新たにそう言われ、後ろから手が回り目を隠された。

するとこれまで聞いたこともない音がしたと思えば、つい耳を塞ぎたくなる断末魔のような叫び声が倉庫に響いた。

「グァァッ!」

私は新の手を振り払う。

一体何をしたのか男の口からはダラダラと血が流れ出ていて、男は痛みからかもがくように身体をよじっている。
銀の手には何か工具のような物が見えた。

そのおぞましい光景につい息をするのを忘れてしまう。

銀はまたその男に手を伸ばし工具を口の中に入れた。

「小春、ここにいちゃだめだ。行くぞ。振り向くなよ?」

新は再び私を倉庫から連れ出す。
その間も男の悲鳴と、銀の怒り狂う怒号が後ろから響いていた。

新は私を車へ押し込んだ。
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