この愛は永遠に〜危険な甘い囁き〜
「いいな? 俺が銀を連れてくるまで絶対にここから動くなよ?」

私は大人しく頷いた。

新はドアを閉めると組員に何か言っている。
すると組員がこの車を囲んだ。

私がまた出て行かないようにだ。

そして新はまた倉庫へと戻って行った。

手が震えている。
今更、とんでもないこの状況にガタガタと身体も震えてきてしまう。

あんな銀の声、聞いたことない。
それにあんな顔も…

銀が改めてその道の人間なんだという事が良くわかった。

銀はこれまでそうやって生きてきたんだ。
そしてこれからも。

攫われ目の前で日向が殴られて怖かったけど、銀を見た瞬間私は感じた事もない安心感を覚えた。

私のところへ駆けつけた時の銀の顔が忘れられない。

悲しみ、悔しさ、不安、怒り。
いろんな感情が織り混ざったようなそんな顔だった。

私は銀にあんな顔をさせてしまった。

銀に早く大丈夫だよと伝えたい。
すぐに駆けつけてくれてありがとうと言いたい。
私の為にあんなに怒り狂う銀の姿を見て、早く抱きしめてあげたい。
安心させてあげたい。
そう思った。
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