この愛は永遠に〜危険な甘い囁き〜
「うん。でも、ないなら諦めるよ」

「ちょ、ちょっとだけ待っててもらえますか?」

私はそう言って返事も聞かずにキッチンへと向かった。

祖父母はもう上がってしまっていない。

オムライスなら作れそう。
ものすごい勢いで2人分のオムライスを作った。

「あの、オムライスでよかったら…」

「え? わざわざ作ってくれたの? ごめんな。ありがとう、助かるよ。これうまいんだよな」

そう言って、サラリーマンだろう彼は一万円札を私の手に握らせるとお釣りももらわないまま行ってしまった。

「ちょ! お兄さん! お釣り忘れてますよー!」

「いーからいーから! ありがとさん」

振り返ってそう言うと、本当に行ってしまった。

もうっ。
あの人、最近良く来るよね。
そしていつも二人分買って行く。
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