この愛は永遠に〜危険な甘い囁き〜
「琥珀もう9歳だよ」

9歳といえば、銀が私を守るために一人で敵対する組員に突っ込んで行った時と同じ歳だ。

銀はどう思っているのだろうか。

「ああ」

銀は何も言わないけど、乗り越えたのかもしれない。
親が子を守るという意味を。
銀の父親が命がけで自分を守った意味を。

短く返事をした彼は我が子を思い浮かべて、とても優しい顔をしていた。

10年たった今でも銀は変わらず私たちを守ってくれている。
時には厳しく、そして包み込むような大きな愛で優しく、絶大な信頼と安心を与えてくれる。

そのおかげで子供達は強く逞しく、そして優しさに溢れた子に育っている。

私にも。
変わらぬ愛を今も証明し続けてくれている。
過去の元カレから受けた酷い経験なんて、銀には全く当てはまらなかった。
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