この愛は永遠に〜危険な甘い囁き〜
そしてトイレを済ませて化粧を軽く直して会場に戻る時、新さんが一人でこちらへやってきた。

「小春ちゃん」

「あ、新さん」

「会場で小春ちゃん見つけて」

気づいてたんだ。

「実は私も新さん見つけました」

「ははは。俺、これから東京戻るからさ。これ、何かあったら遠慮せずに頼るんだよ。それじゃ」

そう言って、名刺を渡された。
頼るって何を?
と思ったが、とりあえず返事をする。

「あ、はい…」

「それじゃ。またね」

新さんはそう言って、あっという間に立ち去ってしまった。

名刺を見ると、名前と携帯の電話番号のみしか載っていない名刺だった。
職業も住所もわからないやつ。

"氷室 新"

氷室(ひむろ)っていうんだ。
なんかぽいわ。
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