この愛は永遠に〜危険な甘い囁き〜


スッと胸元から一枚の名刺を取り出すと私にくれた。
それは前に新さんからもらったのと同じタイプだった。
更に会社名はともかく電話番号もなにもない、名前だけがあった。
黒の光沢のあるカードにシルバーで印字されていて、何か家紋のようなものがあった。

"鷹尾 銀"(たかおぎん)

「銀さん…」

「御守りとしてもっておけ」

「御守り…ですか?」

「ああ」

それだけ言ってまた私の手からひょいっと名刺を取ると、後ろに手を回して後ろに立っていた男性からペンを受け取り裏にスラスラと綺麗な文字で電話番号を書いてまた渡された。

そしてグラスを煽り飲み干すと銀さんは立ち上がった。
私も一緒に立ち上がる。

「それじゃ。何かあったら連絡しろ」

「あ、はい。ありがとうございました」

入り口まで見送りをすると最後にフッとまた微笑むと彼は帰って行った。
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