この愛は永遠に〜危険な甘い囁き〜
「いや…あの、お支払いします。本当に申し訳ございません」

「そう、かたくなんなって。優しく抱いてやっからよ? な? こんなとこで会ったのも何かの縁だろ」

いやいや何の縁だよ。

「おいくらですか? これで足りそうですか?」

私は財布を出して、中に入っていたお札をまるまる渡した。

「ったくよ」

チンピラはそう言って、私の手からむしり取るようにお札を手に取ると数え始めた。

その時一枚のカードがヒラリと落ちた。

「んぁ? なんか落ちたぞ」

そう言ってチンピラはカードを拾って見た途端、目の色を変えた。

ん?
どうした?
みるみる顔が真っ青になってってないか?
ダラダラと汗もかいている。
お札を持つ手もよく見ると震えている。

「あの、どうかしました? 大丈夫ですか?」

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