この愛は永遠に〜危険な甘い囁き〜
「申し訳ございませんでした!」

チンピラはお札を全て私の手に握りしめ、急に土下座をした。

えーーー!?

やめてやめて!!
目立つ目立つ!

「あ、あのっ、やめてください本当に」

私も慌ててしゃがみ込み、その人を起こそうとするも頭を地面についてビクともしない。

「勘弁して下さい! 命だけは!」

はぁ?

「いやいや、何もしませんて、本当に。悪いのは私ですから」

やっとチンピラは顔をあげる。

「本当すか?」

「え? はい」

「そ、それじゃ、見送らせて下さい。こんな所にいたら危ないんで」

いやいやどの口が言うのよ。
あ、でもちょうど良かったかも。

「あの、お願いがあるんです」

「お願い? なんっでも言ってください!」

急に態度が変わったチンピラが少し面白い。

「あの、まずクリーニング代はきちんと支払わせてください」
< 54 / 304 >

この作品をシェア

pagetop