この愛は永遠に〜危険な甘い囁き〜
チンピラが見たカードは、銀さんの名刺だった。

それを見ただけであんなに怯えて。
銀さんは御守りと言っていたけど、本当にその効果があるのか?

名刺を隈なく見ても、名前と手書きの電話番号しかない。

透かしてみても、呪文が出てくるわけではなかった。

そして休み明け、ちょうどよく銀さんがラウンジに顔を出した。

ナイスタイミングだ。

「いらっしゃいませ」

「ウィスキーを」

今日もビシッとスーツを着こなして物凄いオーラを放っている銀さん。

コトっと銀さんの前にウィスキーを出すとグラスをとってクイっと一口飲んだ。

「あの、鷹尾様」

「銀でいい」

んぐっ。

「ぎ、銀…さん」

名前を呼ぶだけで心臓が爆発しそうだ。

「どうした?」

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