この愛は永遠に〜危険な甘い囁き〜
そしてしばらくたつと、住宅街に入った。

昔ながらの大きな家がたくさんだ。
もちろん新しい家も。
にしてもデカい家ばっかりだな。

すると一際大きな屋敷の手前でタクシーが止まった。

「この辺りでいいかな。着いたよ」

え?
ここ?

嘘でしょ!?

豪邸なんだけど!

というか、屋敷まで遠くね?

森みたいになってんだけど。

「あ、あのすみません。忘れ物あってちょっと近くのコンビニまで行ってもらえますか?」

あまりの豪邸に尻込みしてしまった私はそう告げる。

「おお、いいよ」

そう言ってまた発車した。
すると向こう側から数台の黒光りした高級外車が走ってきてゆっくりとすれ違った。

え…
今のって…

私は窓越しに振り返る。

するとその車たちは、お母さんの実家の門をくぐって中に入って行った。





< 83 / 304 >

この作品をシェア

pagetop