この愛は永遠に〜危険な甘い囁き〜
『新くんいい男になってたね。銀くんも』

何言ってんのよ本当に。
銀さんも来てたの?

『なんとなくあんたが忘れちゃってる気はしてたんだけどね。新くんも知らないフリしてて面白かったよ』

え…

『小春が忘れてるんだったら、これは言うなって言われてたけど…』

そう言っておばあちゃんは話してくれた。

お母さんは桐生組の一人娘で、本当は婿を取るはずだったが、お父さんとどうしても結婚してお弁当屋を一緒にしたいと言って家を出たらしい。

そしてやっぱりお母さんの親は組長だった。

家をでてからも、桐生組からはいつも面倒を見てもらっていたと。

それでも一般人として離れた地で暮らす私達を、ずっと遠くから守ってくれていたと。

いくら一般人とはいえ、もともとは極道の娘だ。
何かあってはならないと。

けして表には出ないけれど、影から見守ってくれていたらしい。

交代で組員を配置して。
それには本当に驚いた。
全く気付かなかった。
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